桃夭学園どきどき日誌
第2話
あなたは思い切ってドアを開けてみることにした。 「ひゃわあああん!?」 こちらに背を向けて、しゃがみこんでいた生徒が跳び上がった。 「ちょ、ちょっ、ちょまっ、まっまっ待って、ちょっと待って!」 ……馴染みはないけど、聞き覚えのある声に驚いた。 「あ、あら……ごめんあそばせ。ちょっと取り乱してしまいました……おほほほほ」
ごまかすように笑いながら立ち上がったのは――。 「ど、どうなさったの? も、もしかして美術部の活動なのかしら……?」 あなたは飛鳥井さんに「今日は美術部が休みである」と告げた。 「そ、そう。休みですのね…………ほーっ」 大きく息をはいて安堵する飛鳥井さんは、お昼に見たときの彼女よりもなんだか身近な感じがした。 あなたは、どうかしましたの?、と問いかけるが、 「何でもございませんわ」
そうニッコリ笑いながら切り返された。 ともかくもあなたは、先ほどまで自分が使っていた机の中を探った。 筆箱はちゃんとそこに残っていた。安堵しつつ、それをかばんにしまいこむ。 「あら……あなたも忘れ物でしたの……」 ……『も』というところに引っかかりを覚えたので、あなたは飛鳥井さんに尋ねてみることにした。 「あ、じ、実はその……私もその、忘れ物をしてしまいまして……ほほ」 そう言いながらも、飛鳥井さんはそわそわしながら、周囲の足下を窺っている。 どうやら、よっぽど大事なものらしい。 「ここに落としたと思ったのですけれど……」 不安そうな飛鳥井さんの表情に、なぜだかあなたは胸が締めつけられた。 しかし飛鳥井さんは、手伝いましょうか? というあなたの申し出に慌てた様子で首を横に振った。 「い、いえよろしいんですの、あなたのお手を煩わせるほどのものではありませんし……」
飛鳥井さんは困った表情を見せながらそう言った。 「いいええ! ちっとも迷惑などではありませんわ! ……その、お手伝いしてくださるのはありがたいのですけれど……」
二度、三度と飛鳥井さんは口を開いてはまた閉じた。 「……探しているのはノートなの。でも、一つだけ約束して欲しいことがあって」 ――絶対に絶対に、中身を見ないでくださいっ。 飛鳥井さんからの必死のお願いに、あなたは快く頷いた。
・ がさごそと、机の中を一つ一つ丁寧に探していく。 「誰かが持って行っちゃった……なんてことはないよね? よね?」 ノートに名前は書いてあったのか、とあなたが問うと、飛鳥井さんは首を横に振った。 そうなると、誰かが使おうと思って持って行ったという可能性も……。 「嫌あああああっ! それっ、それだけは絶対に嫌あああああっ!」
びっくり。 「……ですわ」 そう、おまけのように言った。 ――もしかすると。 あなたがイメージしていた飛鳥井さんと、本来の飛鳥井さんにややズレがあるのかもしれない。
・
見つからない。 「ど、どうしよう……」
飛鳥井さんはひたすらうろたえている。 1.飛鳥井さんに今日の行動を思い出してもらう 2.遺失物を管理している教師に尋ねてみる ※選択肢の〆切は9/19(火) 0:00です。 |