桃夭学園どきどき日誌


第1話

 放課後になった。

 あなたは今、私立桃夭学園の名所のひとつ、『曲輪桃(くるわもも)』の石段の影にそっと置かれていたダンボール箱を眺めている。

 いつからそこにあるのか定かではないが、少なくとも昨日の時点ではこんなダンボールは置いてなかったはずだ。

 しかもダンボール箱の上面には、マジックで大きく殴り書きがしてある。

『拾ってください』

 もちろん、あなたに拾う謂われはないし、このまま立ち去ることも出来たろう。

 しかし、

『にゃ〜ご』

 そんなか細い声がしては、背を向けるわけにもいかなかった。

 これでこのダンボールの中身は確実に『アレ』だと決まったようなものだ。

 さあ、こうなればもう覚悟を決めようじゃないか?

 ダンボールの蓋を開いた。

 あなたは予想通りの『アレ』が中に入っていたのを見て、大きくため息をつく。

『にゃん?』

 ダンボールの底には毛布が敷き詰められており、その上では子猫がぷるぷると震えていた。

『にゃ〜』

 あなたはそっと両手で子猫を抱き上げた。

『うにゃ……』

 あどけない顔つきをした子猫は、かりかりとあなたの鼻を掻いている。

 まるで警戒心の無い仕草に、ついあなたも和んでしまうが、子猫の境遇を考えるとそうのんきに構えているわけにもいかない。

 ダンボールの中にはアルミの皿があり、底には白い滓がこびりついていた。

 どうやら、捨てた人間がせめてもの情けをと、ミルクを入れておいたらしい。

 しかし、それも尽きて久しいようで、子猫の鳴き声がか細いのはそのせいも
ありそうだ。

『にゃー』

 子猫は促すように、ぺろっ、とあなたの鼻の頭を舐めた。

 さて――あなたはどうする?

1.三月三日委員会に報告する

2.五味淵さんに相談する

※選択肢の〆切は5/15(月) 0:00です。



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